第1回に取り上げますのは6月14日(日)にシテを致します『誓願寺』です。
第1回 能楽談儀の会
日時 4月5日(日)午後1時〜3時場所 松陽閣(JR中央線国立駅北口ヨリ徒歩5分)
国立駅北口を右折し、線路沿いに直進。信号を渡りさらに直進し、突当りの階段を登り少し進んだ三叉路手前の左側の建物。 地図会費 一般 2,000円 会員 1,000円
申込み・問合せ 090-3136-8310(ナカショ)又は nakashonobuo@nohnokai.com
持ち物 謡本「誓願寺」。白足袋と舞扇。
謡本はコピーをご用意しますが、お持ちの方は持参して下さい。
足袋と扇は、お持ちの方はご持参下さい。
スリ足体験をご希望の方でお持ちでない方はお申し出下さい。
「能楽談儀の会」について
世阿弥の子、七郎元能による「世子六十以後申楽談儀」は遊楽の道は一切物真似なりと言えども、申楽とは神楽なれば、舞歌二曲をもって本風と申すべし。の一文で始まっています。私は著作「能の裏を読んでみたーー隠れていた天才」で七郎元能を掘り起こしました。申楽が江戸時代に武家の式楽「能」となり、武士たちが修身に努めつつ美意識を磨く上でなくてはならないものになる、その素地を整えたのは元能だったのではないかと考えています。
大変僭越ではありますが、それにあやかり私の講座名をこのように致しました。
原則として具体的に一曲を俎上に上げて、その曲の解釈や背景を考えながら、謡を聞き、舞を見ていただきます。本公演の際の舞台鑑賞の一助になるようにしたいと思います。
また、時間の許す限りお話し講座の後に体験講座もしたいと思います。
『誓願寺』について
以下、演能案内のチラシに書いた文章です。
天智天皇が平城京に建立し、後に平安京に移された誓願寺は、現在京都三条の繁華街に小さいながら浄土宗の総本山として賑わっています。ワキとして登場する一遍上人が、布教の本拠とした頃はさぞ大寺だったことでしょう。また後段には和泉式部が歌舞の菩薩として登場する(後シテ)こともあり、古くから芸能者の信仰を集めています。
和泉式部は恋多き歌人として知られ、作品の評価とは別に、人となりは当時から非難の対象だったようです。しかし作者の世阿弥はそういう世間の評価に異を唱えて、和泉式部を歌舞の菩薩に仕立てました。世阿弥は芸能による悟道覚醒とそれによる鎮魂救済を目指していたと思います。この曲はそれが非常に純粋な形で表現されている世阿弥中期の意欲作ではないでしょうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿