11月8日(日)九皐会例会 於 矢来能楽堂
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舞台のご案内を申し上げます
十一月の九皐会例会で「江口」を致します。
遊女が実は普賢菩薩だったというこの曲。私は、世阿弥が申楽一座の伝統を丸ごと掬い取って、その矜持を高らかに称えたものだと考えています。
世阿弥は自分たちが作り出した芸能のことを、遊楽と呼んでいます。遊楽遊舞を生業として、その中で女たちは遊女ともなって、一座の血を繋いで行きますが、それは決して卑しいものではなく、佛の道に通じているのだと、この曲を通して訴えています。
十年程前から折に触れて舞ってみたいと思っていたましたが、この難しい年にその機会が巡って来ました。
コロナ感染予防しながらの鬱陶しい毎日ですが、逆境の中で芸能の確かさを掴んだ世阿弥の力に縋り、少しでも良いものを見所の皆様に、お届けしたいと思います。
また後段に登場するツレ役の二人は、今年この道を志して内弟子修行を始めたばかりの二人です。私自身も四十年前に内弟子になったばかりでツレを致しました。お目怠い点もあろうかと思いますが、伝承はこのようにしてなされて行くのだとお見守り頂き、今後も私共々応援して下されば、これに勝る喜びはありません。
何卒宜しくお願い申し上げます。
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