2020年9月23日水曜日

舞台のご案内「江口」

11月8日(日)九皐会例会    於 矢来能楽堂

https://yarai-nohgakudo.com/archives/7814

 

 舞台のご案内を申し上げます

十一月の九皐会例会で「江口」を致します。
遊女が実は普賢菩薩だったというこの曲。私は、世阿弥が申楽一座の伝統を丸ごと掬い取って、その矜持を高らかに称えたものだと考えています。
世阿弥は自分たちが作り出した芸能のことを、遊楽と呼んでいます。遊楽遊舞を生業として、その中で女たちは遊女ともなって、一座の血を繋いで行きますが、それは決して卑しいものではなく、佛の道に通じているのだと、この曲を通して訴えています。

十年程前から折に触れて舞ってみたいと思っていたましたが、この難しい年にその機会が巡って来ました。

コロナ感染予防しながらの鬱陶しい毎日ですが、逆境の中で芸能の確かさを掴んだ世阿弥の力に縋り、少しでも良いものを見所の皆様に、お届けしたいと思います。

また後段に登場するツレ役の二人は、今年この道を志して内弟子修行を始めたばかりの二人です。私自身も四十年前に内弟子になったばかりでツレを致しました。お目怠い点もあろうかと思いますが、伝承はこのようにしてなされて行くのだとお見守り頂き、今後も私共々応援して下されば、これに勝る喜びはありません。

何卒宜しくお願い申し上げます。