https://www.persimmon.or.jp/performance/sponsored/20210317150202.html
この様な状況の中で開催そのものが危ぶまれていましたので、直前のご案内になってしまいました。
(リンク先のご案内も混乱しているようです。小ホールでの催しは全て中止になったと聞いています。)
加藤訓子さんは世界的なパーカッショニストとして高い評価を受けていますが、私とはご縁があり、これまで何回かコラボレーションの舞台を創作して来ました。
くにたち市民芸術小ホールの企画で創作した、「オトダマコトダマ 阿吽」と言う作品の中で、クセナキスの「ルボン」という作品に舞をつけたのですが、今回は加藤さんの企画で「クセナキスと日本」と言う作品の冒頭に、そのルボンの舞を舞う事になりました。
ルボンはaとbの2部構成になっていて、これまではルボンaを舞っていたのですが、今回は初めてa,b通しでの舞をつけました。
加藤さんによればクセナキスは能に大変興味を持っていたとの事で、私の舞がその意に沿うかどうかはわかりませんが、少なくともルボンaは能の拍子不合(ひょうしあわず)に通じるものがあります。逆に今回初めて舞うルボンbは、はっきり躍動感のある拍を刻んでいて、一見すればダンス作品として面白い音楽と聞こえます。果して能ならではの表現になり得るのかどうか、私自身今からとても楽しみです。
現代音楽と聞いただけで構えてしまう方も多いかと思いますが、加藤訓子さんの演奏は難解さを通り抜けて音楽の躍動を伝えてくれます。
後半の「18人のプレイアデス」と言う作品は、加藤さんの以前のアルバムでは、一人で全ての役を演奏して多重録音していて、その変態的な(失礼)超絶技巧に驚いたのですが、今回はそれを18人で演奏するとの事。1人でやるより返って難しいであろう事は、ちょっと考えてみれば明らかです。数年にわたってワークショップを重ねてきたからこそ可能な演奏と、こちらは一観客として手放しで楽しみに思っています。