当日の舞台をご覧下さり、感銘を受けたと言って下さる方がいれば、その舞台は一応の成功だと思います。でも、悪い評価の方が一人でもいれば、やはりまだまだ課題があるわけです。自分はやはり辛い評者でなければなりません。
能はその気になればずっと高みへ登り続けられる芸能です。先日、宝生流の三川泉師が94歳でお亡くなりになりました。数年前に仕舞のお姿を拝見したことがありますが、確固とした品格の高さに打たれました。実際にその高みを垣間見ることの出来た幸せに感謝します。
世阿弥は「時々の花」と言う事を言っています。今の自分に咲かせる事の出来る花を精一杯咲かせ続けて行けば、いつかは「真の花」になると信じて続けて行きたいと思います。

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